ある日、隊長から依頼状を受け取った。

早速ゼミ終わりに、三井・佐々木・米持で国分寺を散策していると、
外に洋服や本を売り出している少し変わった洋食屋さんを見つけた。

お店の中に入ってみると、二人の優しそうな女性の店員さんが
「あら、いらっしゃーい！」 と笑顔で迎えてくれた。
その笑顔に、期待をふくらませつつ席に着く。

カナダの国旗や写真が飾られた、ログハウスのような落ち着いた雰囲気の店内は、
あたたかみがありとても居心地が良かった。

周りを見ながら3人でメニューを見ていたが、品数が豊富でなかなか決まらない。

「あれもいいな！」「これもおいしそう！」
と米持と三井がメニューを決めあぐねていると、今まで黙り込んでいた佐々木が意を決したように、
「あの！おすすめのメニューは何ですか!?」
と店員さんに尋ねた。笑顔がステキな店員さんは、
「今おすすめなのは、オリジナルのカルボトーレとサラダと…あ！自家製の
チーズケーキは私のイチオシだよ！」

「ん？カルボトーレ？」
初めて聞く料理名に佐々木が戸惑っていると、店員さんが
「カルボナーラとペスカトーレを組み合わせたものだよ」
と丁寧に教えてくれた。しかも、なかなかフレンドリーな店員さんだ。

チーズケーキに目のない米持は、
「おすすめのチーズケーキもお願いします！」
とハイテンションで注文する。
「ちょうどラスト1個だったよ～！」
と店員さんに言われ、喜ぶ米持。
カルボトーレは調理に時間がかかるらしく、先にチーズケーキが
でてきた。 「わぁ！おいしそう！」と米持。

この日の国分寺市内で一番じゃないかと思うほど満面の笑みを浮かべながら、
大きく一口ほおばった。そのあとすぐに食レポを始める。
「手作りのケーキにソースがとてもマッチしてる！」
このケーキの上にかかっているソースは、季節ごとの旬な果物を使って
手作りしたものだそう。 この日は洋梨のソースだったが、少し前までは
マンゴーソースだったとか。

するとメニューをじっと見つめていた佐々木が、なぜ店名が
サラダバーB.C.なのにサラダバーがないのか、店員さんに尋ねていた。
実はこの店、今ではそれほど珍しくないが、オープン当時はかなり
珍しかったサラダバーをやっていて、お客さんにも好評だったという。
しかし、サラダバーの機械が故障したため一品に１つサラダを
つけるようなったそうだ。 かつてサラダの並んでいた冷蔵ケースは、
今では食器などを置くスペースとして活用されていた。

その後も三井と佐々木が談笑していると、
「じゃあまたあとで来るね～」と、
地元の人らしきお客さんが退席した。
「店員さんもいい人だし、地元の人に愛されているんだろうね」
そんな会話が弾む。

10分ほど経ち、奥のほうで皿に盛りつける音が聞こえた。
「お！できたかな？」 と心躍らせて待っていると、
「はい、お待たせ～」 地元の新鮮な野菜をふんだんに使った
サラダと共に、大きなお皿に盛られたカルボトーレが運ばれてきた。

「いただきまーす！」 おなかが減っていたのか、誰よりも早く三井がフォークを取った。
「お、おいしい～！！！」 できたてのカルボトーレは、まろやかなおふくろの味ともいえた。

新鮮なサラダにかかっていたのはサッパリしたドレッシング。
私たちは、無我夢中で食べていた。

こちらのお店ではパスタを頼んだ人に、なんとコーヒーのサービスがあるそうだ。
熱々のコーヒーを猫舌の米持が最後に飲み干し、しばし余韻に浸ったあと…。
「ごちそうさまでした！」 と言って私たちはお店をあとにした。

こちらではランチもやっているそうで、
「今度はランチの時間にも来てみたいね！」 と店を出てからも会話が弾んだ。
「素敵なお店だったね！」 「また来よう！！！」

―――――隊長―――――

ふむふむ、サラダバーB.C.。 これもまた、いいお店じゃった！
それにしてもカルボトーレとは…長年生きてきたわしでも知らなかったのぉ。
米持隊員達はいい経験をしたものじゃ。そしてなにより、米持隊員、三井隊員、
佐々木隊員の笑顔が楽しそうでたまらないのぉ。ホーッホッホッホッホ！

よーし！次の探検も、これまた同じく、 この春から探検隊に加入した2年生の
山崎隊員、廿楽隊員、 荒川隊員に行ってもらうこととしようかのぉ。
それでは早速、依頼状を送るとするかのぉ！ホーッホッホッホッホ！