あまたの白梅が綻び、春の気配が漂う。
澄み渡る空の青が白梅のそれを際立たせる。
梅の花はゆっくりと咲き、ゆっくりと散る。
その生涯は、しっとりとしていて、静か―。
そして、落ち着いた美しさがあるのだ。
梅の季節が終わりを迎えると、
もうじき桜の足音が聞こえてくるであろう。
さあ、耳を澄ませて待とうではないか。