2014年01月27日
偶然のふたり
ゼミは解散。 日頃から高血圧が心配になる程テンションの高い快も、頼みの真衣もいなくなってしまって、葵は気付けば晴樹とふたりきりになっていた。 ここはいったん私もこの場から立ち去って、後日改めて晴樹くんと親睦を深めればいいんじゃないかな、うん、そうしよう。などと算段をつけた葵は、ようやく晴...
つづきを読む03
ゼミは解散。 日頃から高血圧が心配になる程テンションの高い快も、頼みの真衣もいなくなってしまって、葵は気付けば晴樹とふたりきりになっていた。 ここはいったん私もこの場から立ち去って、後日改めて晴樹くんと親睦を深めればいいんじゃないかな、うん、そうしよう。などと算段をつけた葵は、ようやく晴...
つづきを読む葵の釈然としない気持ちをよそに、学食はいつもの通り人でにぎわっていた。 ゼミメンバーはめいめい、学食のおばちゃんがよそってくれたお気に入りのメニューをトレーに載せて、テーブル席の一角に陣取っている。ただでさえ席の取りづらい学食だ。別に迷惑そうな顔をされたわけではないのだけれど、葵は心の中でこっ...
つづきを読む西東京、国分寺。 西、と言いながら、その実、地図の上から東京都全域を眺めてみると、国分寺市は、ちょうど東京のまんなか、おへその辺りに位置している。 国分寺駅は三路線の接続駅で、JR特快も停まるし、黄色くて可愛い西武線の電車も乗り入れている。都心へと通う学生や勤め人が多い。朝、都心に出掛けて...
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